【東京都】産業廃棄物収集運搬業許可申請ガイド(新規)

当記事では、「東京都における産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請手続き(積替え・保管なし)方法」について林行政書士事務所がご説明いたします。

新規許可申請

1,講習会を受講して、有効な修了証を取得
公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の実施する講習会を受講し、有効な修了証を取得しておきます。

2,申請の予約
新規許可申請は、事前に予約が必要となります。

3,申請手続き
必要書類の収集や申請書の作成をして、窓口または郵送で手続きを行います。

4,結果通知
許可後、許可証が送付されます。

申請予約方法

電話 ・東京都環境局資源循環推進部産業廃棄物対策課審査担当
03-5388-3587(直通)
・東京都多摩環境事務所廃棄物対策課審査担当
042-528-2693(直通)
※9時~11時、13時~17時
インターネット 申請予約システム

申請手数料

申請時に現金で支払います。
支払い後の不許可や申請取り消しなどによる返金はできません。

新規許可申請手数料 81,000円

申請にかかる期間

東京都の申請予約は大変混雑しており、申請までに2ヶ月ほどかかります。

申請まで 約数週間〜2ヶ月
申請から許可証交付まで 最大60日間

新規許可申請の要件

要件①:有効な修了証がある

✅ 産業廃棄物収集運搬業許可の講習会とは?
産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請を行うには、講習会の修了証が必要です。
講習会とは、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンタ ー)の実施する「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」をいいます。

有効となる修了証
産業廃棄物収集運搬業許可申請の場合
・産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会(新規)収集運搬課程(有効期間5年)
・特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会(新規)収集運搬課程(有効期間5年)
・他都道府県講習会の更新の修了証(有効期間2年)
特別管理産業廃棄物収集運搬業許可申請の場合
・特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会(新規)収集運搬課程(有効期間5年)
・他都道府県講習会の更新の修了証(有効期間2年)
講習を受ける人 法人の場合
代表者、役員(監査役及び社外取締役を除く)または政令使用人
個人の場合
申請者本人または政令使用人


政令使用人とは、「申請者の使用人で、次に掲げるものの代表者であるもの」をいう。
①本店又は支店(商人以外の者にあっては、主たる事務所又は従たる事務所)
②継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、廃棄物の収集若しくは運搬又は処分若しくは再生の業
②に係る契約を締結する権限を有するものを置くもの

講習の有効期限 「新規」の修了証は、すべての都道府県・政令市で講習会修了の日から起算して5年間。
「更新」の修了証は、講習会修了の日から起算して2年間。

新規許可申請でも『更新』の修了証が使用できるケース
※次のいずれかに該当するときは、更新講習会の修了証(申請日に有効なもの)により新規許可申請を行うことができます。
①申請者が、すでに他の自治体で産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を有しているとき。
⇨申請時に他の自治体の許可証の写しを添付。
②産業廃棄物収集運搬業の許可を有する個人事業者が、新たに法人を設立して新規許可申請を行う場合で、当該個人事業者が「その法人の代表者、役員(監査役及び社外取締役を除く)または政令使用人」に該当するとき。
⇨申請時に、個人事業者が有する許可証(「申請日」に有効なもの)の写しを添付。

要件②:車両や容器、駐車場が揃っている

✅ 産業廃棄物収集運搬業許可に必要な施設要件とは?
産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請を行うには、廃棄物を運搬するための車両や格納する容器、駐車するための駐車場が必要隣、使用権限を証明する書類を用意します。

▪️車両の使用権原

申請者が車検証の使用者の場合 自動車検査証記録事項(電子車検証の場合)または自動車検査証
申請者が車検証の使用者ではない場合 車両の賃貸借等契約(使用貸借のときは承諾書でも可)


※契約書等には、次の事項が明記されていることが必要
・対象車両の登録ナンバー
・賃貸借等の期間(1年以上)
・申請者の産業廃棄物収集運搬業の用に供すること(明記されていない場合は、その旨の承諾書も添付)。

※同一車両を複数の事業者によって重複使用(二重登録)することは認められていないので、賃貸借等期間が満了したとき又は 他の事業者が使用する場合は、当該車両の使用を廃止する旨の変更届出書を提出する必要があります。
※ 重複使用や単なる名義上の申請である等その使用実態に疑義があり、又は不法な使用を助長する恐れがある場合は、使用が認められないことがあります。
※都では、自動車検査証の使用者(空欄の場合は所有者)が申請者である車両のみ使用を認めています。たとえ代表者名義の車両であっても、使用を認めておりません。

※以下の場合は使用権限が認められませんのでご注意ください。
①レンタル車両(借受契約等で借りている車両)
②トレーラ及びセミトレーラ(容器として取り扱い)
③すでに他の事業者に登録されている車両
④「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づくディーゼル車走行規制不適合車
ディーゼル車走行規制不適合車の可能性のある車両については、DPF装着証明書の写しの提出を求める場合があります。適合車か否かの確認は、東京都環境局環境改善部自動車環境課ディーゼル車規制相談窓口にお問い合わせください。
※「土砂等禁止」の車両では、土砂等に類する過積載のおそれがある廃棄物(ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、汚泥)は、運搬できません。

▪️船舶の使用権原
船舶の使用権原を証明する書類は、「船舶検査証」「裸傭船契約書」「裸傭船契約に準じた傭船契約書」のいずれかに限ります。 なお、「裸傭船契約に準じた傭船契約」とは、概ね次の内容が盛り込まれている傭船契約をいいます。
・船主は、その属する乗組員に対する労務供給請求権を傭船者へ譲渡すること。
・乗組員は、傭船者の指揮監督の下に傭船者の指定する産業廃棄物の海上運搬を行うこと。
・船主は、傭船契約期間中は他の契約に応じないこと。

▪️駐車場の使用権原
東京都では、駐車場に関する使用権限の証明書類(契約書など)は不要です。

▪️容器について
容器に関しては、廃棄物を飛散・流出及び悪臭が発散するおそれのない方法で運搬する必要があります。飛散・流出及び悪臭が発散するおそれのある産業廃棄物については、下表を参考に、収集運搬に適した容器又は車両を使用して収集運搬を行ってください。

燃え殻、ばいじん、鉱さい 容器:ドラム缶(オープンドラム)、フレコンバッグ
車両:水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車
汚泥 容器:ドラム缶(オープンドラム)
車両:水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車、タンク車
廃油 容器:ドラム缶(クローズドラム)
車両:タンク車
廃酸、廃アルカリ 容器:ケミカルドラム(クローズドドラム)、プラスチック容器
車両:耐腐食性のタンク車
動植物性残さ、動物系固形不要物、動物の死体 容器:ドラム缶(オープンドラム) 車両:水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車
動物のふん尿 容器:ドラム缶(オープンドラム)
車両:タンク車

要件③:財産的基礎がある

✅ 産業廃棄物収集運搬業許可に必要な財産能力とは?
産業廃棄物収集運搬業の許可には、事業を的確にかつ継続して行うことのできる経理的基礎を有することが必要です。

申請者の財務状況に応じて追加書類が必要になる場合がございます。以下のチェックフローで確認し、必要な追加書類(次のア又はイ)を提出してください。なお、個人事業者の方は法人税を所得税と読み替えて確認してください。

①法人税の納税状況 直近の納税額が1円以上かつ直近の3年間に未納税額がない場合→追加書類は不要


直近の納税額が0円、 又は直近の3年間に未納税額がある場合→②へ

②債務超過状態の有無 直近決算期の貸借対照表において債務超過( 負債の総額が資産の総額を上回る状態)ではない場合→追加書類は不要


債務超過の場合→③へ

③返済不要な負債の有無 直近決算期の貸借対照表に記載された負債の中に返済不要なものがない場合→追加書類「イ」を提出


ある場合→④へ

④返済不要な負債の総額の確認 返済不要な負債の総額が債務超過額以上の場合→追加書類「ア」を提出


債務超過額未満の場合→追加書類「イ」を提出

【追加書類】
ア:返済不要な負債の額及びその負債が返済不要であることが分かる書類(任意書式)並びに借入金・支払利子の内訳書

※ 債権者の意思を確認できる書類が必要です。申請日時点で債権者が申請者に貸している金額及びそのうちの返済不要な金額を記載した、債権者名義で都知事宛の書類を作成してください。(債権者の押印が必要です。)
イ:中小企業診断士、公認会計士又は税理士により作成された「経理的基礎を有することの説明書」及びその書類を作成した中小企業診断士、公認会計士又は税理士の方の資格を証明する書類
※法人税に未納がある場合は、未納分を納付した際の納付領収書の写しと納税の換価の猶予許可通知書の写しを提出

要件④:欠格要件に該当しない

✅ 産業廃棄物収集運搬業許可の欠格要件とは?
産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請を行うには、申請者などが欠格要件に該当していない必要があります。

欠格要件とは、申請者の一般的適性について、法に従った適正な業の遂行を期待し得ない者を類型化して排除することを趣旨とするものです。なお、産業廃棄物処理業者が欠格要件に該当するに至った場合は許可が取り消されます。

廃棄物処理法第7条第5項第4号
イ,心身の故障によりその業務を適切に行うことができない者として環境省令で定めるもの
ロ,破産手続の開始の決定を受けて復権を得ない者
ハ,禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
ニ,この法律、浄化槽法(昭和58年法律第43号)その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるもの若しくはこれらの法令に基づく処分若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。第32条の3第7項及び第32条の11第1項を除く。)の規定に違反し、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正15年法律第60号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
ホ,第7条の4第1項(第4号に係る部分を除く。)若しくは第2項若しくは第14条の3の2第1項(第4号にかかる部分を除く。)若しくは第2項(これらの規定を第14条の6において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第41条第2項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合(第7条の4第1項第3号又は第14条の3の2第1項第3号(第14条の6において準用する場合を含む。)に該当することにより許可が取り消された場合を除く。)においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第15条の規定による通知があった日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この号、第8条の5第6項及び第14条第5項第2号ニにおいて同じ。)であった者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)
へ,第7条の4若しくは第14条の3の2(第14条の6において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第41条第2項の規定による許可の取消しの処分に係る行政手続法第15条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に次条第3項(第14条の2第3項及び第14条の5第3項において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分(再生することを含む。)の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第38条第5号に該当する旨の同条の規定による届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から5年を経過しないもの
ト,ヘに規定する期間内に次条第3項の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第38条第5号に該当する旨の同条の規定による届出があった場合において、ヘの通知の日前60日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員若しくは政令で定める使用人(注2)であった者又は当該届出に係る個人(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)の政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
チ,その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
リ,営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイからチまでのいずれかに該当するもの
ヌ,法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイからチまでのいずれかに該当する者のあるもの
ル,個人で政令で定める使用人のうちにイからチまでのいずれかに該当する者のあるもの廃棄​物処理法第14条第5項第2号(第7条第5項第4号イからチまでのいずれかに該当する者)
ロ,暴力団による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。)
ハ,営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するもの
ニ,法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
ホ,個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
へ,暴力団員等がその事業活動を支配する者

新規許可申請に必要な書類

▪️申請書類(様式)

申請書
事業計画の概要
運搬車両(又は船舶)の写真 運搬車両・船舶の最新の写真。
運搬容器等の写真
事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法 貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表を添付している場合は不要。
資産に関する調書(個人用)
誓約書

▪️申請者に関する書類

最新の定款の写し 内容に変更があるが定款を書き換えていない場合は、当該事項について決定した際の株主総会の議事録を添付。
法人の登記事項証明書 (履歴事項全部証明書) 申請者と5%以上の株主又は出資者(株主又は出資者が法人の場合)がいる場合はその人のもの。
※株主が社員持株会の場合は、本証明書に代え、持株会の規約を提出。
住民票抄本 申請者と役員等(監査役・相談役・顧問を含む)、5%以上の株主又は出資者(株主又は出資者が法人の場合)、政令使用人がいる場合はその人のもの。
成年被後見人等に該当しない旨の登記事項証明書等 申請者と役員等(監査役・相談役・顧問を含む)、5%以上の株主又は出資者(株主又は出資者が法人の場合)、政令使用人がいる場合はその人のもの。
政令使用人に関する証明書(当該使用人がいる場合) 上記 「法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」に支配人として登録され ている場合は不要。
申請者の許可証の写し 他に産業廃棄物に係る許可(他道府県市のものを含む)を有する場合は、その許可証。

▪️財務能力に関する書類

貸借対照表(直近3年分) 設立直後の法人で1回目の決算が確定していない場合は、貸借対照表(開始貸借対照表)を提出。その場合は、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、法人税の納税証明書は不要。
損益計算書(直近3年分)
株主資本等変動計算書(直近3年分)
個別注記表(直近3年分)
法人税の納税証明書「その1納税額等証明用」(直近3年分) 納税証明書は税務署(国税庁)で交付。
所得税の納税証明書「その1納税額等証明用」(直近3年分) 納税証明書は税務署(国税庁)で交付。
個人事業者としての所得がない場合は、「源泉徴収票の写し」(直近3年分)を提出。
経理的基礎を有することの説明書及び記載者の資格証明書、又は返済不要な負債の額及びその負債が返済不要であることが分かる書類(任意書式) 該当者のみ提出が必要。

✅ 法人設立から3年が満たない場合はどうする?
法人設立から3年が経過していない場合には、3年分の貸借対照表などを提出することはできませんので、以下のような手続きを行います。
・設立直後の法人で1回目の決算が確定してない場合→『開始貸借対照表』を提出。
・設立後3年未満の場合→『確定している分の決算書類』を提出。
・設立後3年以上で直近の決算書類が提出できない場合→『1期前までの3年分の決算書類』を提出。

▪️技術的能力に関する書類

講習会修了証の写し 申請までに修了証が提出できない場合は以下の書類を添付。
・ 講習会の申込みを済ませていることが分かる書類(受講票の写し等)
・誓約書

▪️施設に関する書類

ICタグ付き自動車検査証の場合は自動車検査証記録事項の写し、従来の自動車検査証の場合は車検証の写し(使用する全車両) 運搬車両の使用権原は、(申請日時点で有効な)自動車検査証等の所有者又は使用者の欄で確認。
使用権原があると認められるのは、次の場合のみ。
① 使用者欄が申請者である場合
② 使用者欄が空欄の場合には、所有者欄が申請者である場合
船舶の使用権原を証明する書類(使用する全船舶)
※船舶を使用する場合
①申請者が所有している場合:船舶検査証書
②裸傭船契約をしている場合:船舶検査証書及び裸傭船契約書
③裸傭船契約に準じた傭船契約をしている場合: 船舶検査証書及び次の3点が明記されている傭船契約書

▪️その他

レターパックプラス 「ご依頼主様用シール」をはがしていないものに送付先を記入し、申請時に提出。レターパックライト不可。
委任状等 申請書作成を第三者(親子会社、関連会社等含む)に委任する場合や、許可証の受取を第三者に委任する場合(委任状にその旨を明記すること)が必須。

参考:東京都環境局手引き