産業廃棄物収集運搬業に使用する車両や駐車場、容器

産廃収集運搬業の許可要件の一つに、施設(車両や船舶、駐車場)の要件があります。使用権限を証明できない車両などは利用できません。また、取得したい産業廃棄物の種類に応じて容器などを用意する必要があります。

本記事では、『産業廃棄物収集運搬業の施設要件』について千葉市林行政書士事務所がご説明いたします。

車両(船舶)の要件

使用権限があること

『使用権限がある』とは、申請者がその車両を産業廃棄物収集運搬業に使うことが認められているということです。自己所有であれば、車検証または自動車検査証記録事項で証明し、賃貸の場合には賃貸借契約書や使用承諾書で使用権限の証明を行います。なお、自己所有とは、申請者と車検証の使用者が同じ場合をいいます。賃貸とは、申請者と使用者が別の場合をいいます。

賃貸借契約書や使用承諾書に記載すべき内容
・対象車両の登録ナンバー
・賃貸借等の期間(1年以上)
・申請者の産業廃棄物収集運搬業の用に供すること(明記されていない場合は、その旨の承諾書も添付) 

✅ 船舶の使用権原
船舶の使用権原を証明する書類は、船舶検査証、裸傭船契約書、裸傭船契約に準じた傭船契約書のいずれかに限ります。 なお、「裸傭船契約に準じた傭船契約」とは、概ね次の内容が盛り込まれている傭船契約をいいます。

・船主は、その属する乗組員に対する労務供給請求権を傭船者へ譲渡すること。
・乗組員は、傭船者の指揮監督の下に傭船者の指定する産業廃棄物の海上運搬を行うこと。
・船主は、傭船契約期間中は他の契約に応じないこと。

他で登録されていないこと

同一車両を複数の事業者によって重複使用(二重登録)することは認められていないので、賃貸借等期間が満了したときや他の事業者が使用する場合は、当該車両の使用を廃止する旨の変更届出書を提出する必要があります。なお、重複使用や単なる名義上の申請である等その使用実態に疑義があり、又は不法な使用を助長する恐れがある場合は、使用が認められないことがあります。 

車検が切れていないこと

申請手続き日までの車検が必要です。

駐車場の要件

使用権限があること

駐車場も同様に『使用権限』が必要となります。自己所有(申請者が駐車場の所有者)である場合は土地の登記事項証明書、賃貸の場合は、賃貸借契約書の写しまたは使用承諾書にて証明します。なお、当該契約が書面によらない場合は、自動車保管場所証明書(警察署発行のもの)又は保管場所標章交付申請書の写しを添付します。
※東京都の申請手続きでは必要ありません。

✅ 賃貸借契約書や使用承諾書に記載すべき内容
・ 賃貸借等土地の所在地(駐車場案内図に表示した地番と一致すること)、面積等

・ 賃貸借等の期間(1年以上)

✅ 転貸の場合
所有者から申請書までの契約関係がわかるように複数の契約書(写)が必要となります。または、所有者から申請書への直接の使用承諾書を添付します。

✅ 共有の場合
共有者全員から賃貸借契約書(写)か使用承諾書が必要となります。

登記上の地目が「田」や「畑」などの農地の場合
農地転用を行う必要があります。

容器の要件

容器に関しては、廃棄物を飛散・流出及び悪臭が発散するおそれのない方法で運搬する必要があります。飛散・流出及び悪臭が発散するおそれのある産業廃棄物については、下表を参考に、収集運搬に適した容器又は車両を使用して収集運搬を行ってください。

燃え殻、ばいじん、鉱さい 容器:ドラム缶(オープンドラム)、フレコンバッグ
車両:水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車
汚泥 容器:ドラム缶(オープンドラム)
車両:水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車、タンク車
廃油 容器:ドラム缶(クローズドラム)
車両:タンク車
廃酸、廃アルカリ 容器:ケミカルドラム(クローズドドラム)、プラスチック容器
車両:耐腐食性のタンク車
動植物性残さ、動物系固形不要物、動物の死体 容器:ドラム缶(オープンドラム) 車両:水密仕様ダンプ、密閉コンテナ車
動物のふん尿 容器:ドラム缶(オープンドラム)
車両:タンク車

基礎知識

Posted by masataka884